原稿用紙一枚にんじんつれづれ。#20
いろいろな種類の労働者を集めて実験をした人がいる。「フロー」で有名な心理学者、チクセントミハイである。にんじん(そして恐らくにんブロ読者も)は普段、仕事などこりごりで、退勤するたびに二度とあそこへは戻りたくないと思うものである。しかし彼の実験が明らかにしたことは、我々は仕事中のほうが満足度が高く、余暇のあいだのほうが不安でいる、ということだ。にんじんたちはたしかに『暇』を好んでいるはずなのに。チクセントミハイは言う。「現実の状況に対するこうした盲目性は、個人の幸福にとっても社会の健全性にとっても不幸な結果をもたらすだろう」
この結果は少なくとも、働きたくない、という希望の言い換えを要求する。働きたくないのではなく「こんな働き方をしたくない」が近い。ではどう働きたいのか? 考えるべきなのは働かない方法ではなく、働く方法かもしれない。

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