にんじんブログ

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オタク(日記)

2023.06.08記

 涼宮ハルヒの声優がHEY!HEY!HEY!に出演すると聞いたときの驚きから、もうずいぶん時間が経った。今では声優がテレビに出るなど別に珍しいことではないし、別に大したことではない。自分は古のオタクなので、オタクであることを「カミングアウト」のように重く捉える時代を知っている。涼宮ハルヒけいおんはオタクというものを塗り替えた。そしてやはり、自分は古のオタクなので、今の状況がそれほどいいこととは思っていない。ずっと隠れて楽しめていたらよかったのに、と思う。

 にわかオタクという言葉も聞かなくなった。にわかオタクもないので、ハードなオタクも特にいない。そもそもハードとかいう形容詞が似合わないのがオタクという言葉だ。ハードならオタクではなくマニアになってしまう。現状アニメを愛好していることはなにかのバラエティ番組を毎週見ていることぐらいふつうのことで、そこだけを取り上げる必要はないので、オタク自体いなくなったといってもよい。春日部咲さんのように「オタクオタクオタクオタク!」とオタクをなじるシーンは二度とみられないだろう。今の時代の春日部さんは、ふつうにアニメを見るからだ。現実のお姉さんとかかわりがなかったので、春日部さんは架空のキャラながら、自分にとって一般人代表だった。そもそもこの””一般人””という言い方自体が古めかしい。

 古のオタクなどという言葉を使っていることからも大かた予想されるように、にんじんは実写化が好きではない。あれは俳優に「誰か」を起用するためにやるものだと思っている。もとが絵なのだから、絵でやればいいのにあえて実写にする意味がわからない―――んじゃバットマンはどうなのか。マーベルは? という声が聞こえる。いや、そうではなくて、これ、もとがアニメだから。アニメなので!

 アニメとしてそこにあってほしいアニメがある。DIYとかね。でもDIYは実写化する。たいへん残念だ。祝!とか言っている場合ではない。似合うとか似合わないとかではなくて、人間がやる時点でいやなのだが、「DIYというコンテンツが動いているだけでうれしい」と言うほうが大人だ。それで黙っている。プロデューサーは「3Dプリンターで出してきたみたいだ」というようなことを言っている。一周まわって嫌味のようにもみえるが、たぶんGoodという意味だ。「本当はアニメでやりたかったがお金がないのでこうなった」と言ってクラウドファンディングでもして、「ほしいものはつくればいいんだよ!」とイラスト一枚でも貼り付けてくれたら協力するのに。

 

 

 ほとんど誰もいなかった公園が人気になってテレビカメラも入るようになった状態といえる。実写化がいやなのも、どことなく寂しいのも、公園が変わっていくのがつらいからだろう。でも人がたくさん来ることは公園の本分でもある。変わってしまうものもあるが、それもまた公園のさだめだ。そしてこのような状況を「なんとかしよう」とするのは、古のオタクのムーブではない。古のオタクは公園の隅のほうへ行って、石の裏を見たりして、たまに盛り上がっているほうを見てうるせえなあとそこにいる数少ない友達と話したりする。そして「こっちで遊べばいいのに」と現代の春日部さんに変な顔をされる。本当は何も変わっていないのだ。