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にんじんと読む「明治維新の意味」 序章

序章 明治維新はどう論じられてきたか

 石橋湛山は明治から大正に移った1912年、明治という時代を振り返って「政治、法律、社会の万般の制度および思想に、デモクラチックの改革を行った」ことが明治最大の事業だったと書く。言い換えれば政治参加の拡大・伝統的な制約からの解放・自由化である。その鍵となったのは西洋文明であり、学問と言論の自由にある。

  •  江戸時代において国政に携わるのは将軍と幕閣であった。幕閣は大名のうちでも関ケ原以前から徳川の家臣だったもの(譜代大名)から構成されており、そのほかの親藩(徳川親族)や外様(関ケ原以降の家臣)は除かれている。倒幕自体は大事件だが、単なる政権交代でなかったのは、新政府がすべての藩を廃止し中央集権制度を実現し、身分を廃止したからだ。西南戦争が終わると自由民権運動にエネルギーが集中し武士でない層や東北などの地域の政治参加も可能となった。たとえば初代内閣総理大臣伊藤博文は農民の子であり、議会においては信越東北の地域からも議員が選ばれた。