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「マグロウヒル大学演習 現代論理学(Ⅰ)」第一章

第一章 論証の構造

 論証とは、言明からなる列のうち、一つの言明が帰結として意図され、それ以外の言明すなわち前提が、その帰結を立証するもの、あるいは少なくともそのための証拠を提供するものとして意図されているような言明列である。論証であるために、前提は帰結を支持することに実際に成功している必要はない。たとえば『映画がまだ終わっていないから寝られない』はひとつの論証であるが、良い論証とはいえない。

  •  複合的といわれる論証は、論証のなかのあるひとつの帰結が別の帰結を導くための前提になっている論証をいう。
  •  合流的といわれる論証は、同じ帰結を複数の推論が同時に裏付けているようなものである。
  •  不完全といわれる論証は、述べられていない仮定・帰結をもつものである。『私の友達だったら陰口なんて叩かないでしょ』は、『あなたは友達ではない』という帰結を示唆している。

 帰結はふつう論証の最後に現れるものだがいずれの場所に現れても構わない。ただ分析のために最初に各前提を別々の行に並べ、その後に帰結を記すのが普通である(標準形式)。「したがって」「だから」といった推論表示語によってその論証を同定する。もちろん論証のなかには推論表示語をまったくもたないものがある。各言明に番号を振り、推論表示語を四角で囲って見やすくし、帰結を示す矢印と前提が同時に働くことをしめす+の記号で図式化することもある(論証図式)。