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【社労士】厚生年金保険法① 適用事業所&被保険者&適用除外

 

厚生年金保険法とは

 厚生年金保険法とは、

 労働者の老齢、障害又は死亡について保険給付を行い、労働者及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする

 ものです。書いている通り、労働者のための年金保険です。

 

適用事業所

 健康保険法との比較で覚えるのが一番です。次が健康保険法の適用事業。

  1. 適用業種である事業の事業所であって、常時5人以上の従業員を使用するもの
  2.  国、地方公共団体又は法人の事業所であって、常時従業員を使用するもの

 このふたつが強制適用の事業で、それ以外は任意適用になります。

 適用業種というのは十六種類規定されていますが、たいてい適用事業だと思っていいです。適用業種でないものは法務・宗教・旅館・料理店・農林水産業を覚えておきましょう!

 宗教の法務がリッチな旅館で料理を楽しむって覚えると良いです。信者はせっせと農林水産をやってます。

 

 厚生年金は「船舶」が強制適用になっているという点で違います。逆に言えば違いはそれだけなので、

 厚生年金の強制適用事業 = 健康保険法 + 船舶

 と覚えましょう。強制以外はすべて任意適用になります。

 

 任意適用事業は申請するときに1/2の同意、取消するときに3/4以上の同意が必要ですが、これは健康保険の場合と同様です。また、2つの適用事業所の事業主が同一の場合、厚生労働大臣の承認を得て、事業所を一括するという制度も健康保険の場合と同様です(ただし、厚生年金では、船舶の場合は自動的に一括)。

 

 

 

 

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被保険者

 どんなところが厚生年金に加入することになるのかを見てきました。今度はどんなやつが被保険者になるのかを見ましょう。

 

 まず被保険者には大きく分けて2種類あります。

  •  当然被保険者   (適用事業所に、勤めてる70歳未満)
  •  任意加入被保険者 (適用事業所以外に、勤めてる70歳未満&ほか

 です。当然被保険者は70歳未満の奴です。基本的に当然に被保険者とされます。覚えやすくていいですね。じゃあ任意加入被保険者はなんなのかというと、厚生年金の適用事業所以外に勤めてるやつのことです。

 適用事業所ではないので、事業主にお頼み申して同意を取り付け、厚生労働大臣認可を受けなければなりません。適用事業所じゃないのでやっぱりちょっとハードルは高めです。こういう奴のことを「任意単独被保険者」といいます。ここ適用事業所じゃないけどワイは厚生年金入らせてくれやという感じです。

 

 で、上に「ほか」と書きましたが、他のケースも考えられますよね。70オーバーの高齢者のことです。適用事業所以外に使用される70オーバーは「高齢任意加入被保険者」といって、受給資格期間がまだ足りんのでもうちょっと入らせてくれやというケースです。やっぱり事業主にお頼み申して、厚生労働大臣の認可をもらわないといけません。

 それじゃあ適用事業所に使用されてる70オーバーはどうなるのかというと、お国とか組合とかの実施機関に申し出て被保険者になることができます。事業主に同意をもらったり、認可をしてもらうこともなく、申し出れば被保険者になれるので楽そうですがそうでもありません。基本的に保険料は全額自分で払わないといけません。半分出してくれよというのは事業主の同意が必要になってきます。

 

被保険者の種別

 被保険者には実施機関ごとの分け方もあります。

  •  第一号 : 二号~四号以外全部
  •  第二号 : 国家公務員共済組合😎
  •  第三号 : 地方公務員共済組合👨
  •  第四号 : 私立学校教職員共済制度の加入者🖋 

 

 第一号を大雑把に分けすぎたためか、第一号はさらにみっつに整理されています。

 

  •  第三種 : 坑内員・船員
  •  第一種 : 第三種以外の男
  •  第二種 : 第三種以外の女

 まぁ要するに男か女かで分けてます。

平成18年 厚生年金保険法 問4 肢E

第3種被保険者とは、鉱業法に規定する事業場で常時坑内作業に従事する第1号厚生年金被保険者又は船員法に規定する船員として厚生年金保険法に規定する船舶に使用される第1号厚生年金被保険者であって、第4種被保険者以外のものをいう

  読むことすら面倒臭い典型的な文章です。順番に切りながら見て行きましょう。第3種被保険者とは~~~をいう、とあるので第3種の説明をしています。第3種は坑内員と船員のことでした。だから下線をみるとあぁ正しいというかんじがします。

 でも「第4種ってなんだよ」となりますね。第4種は旧法にはあった括りです。答えはバツになります。

 

資格の得喪

 厚生年金には老後にもらえるお金だけでなく色々特典があるので「いつからいつまで被保険者なのか」が結構重要になってきます。重要なので結構試験に出ます。

 被保険者ごとにひとつひとつ見て行ってもいいのですが、基本的には:

入るときはその日から、出る時は翌日

 になります。ただしただ一つだけ例外があって、それは70歳になったときです。

 

平成27年 厚生年金保険法 問2 肢E

被保険者(高齢任意加入被保険者及び第4種被保険者を除く。)は、死亡したときはその日に、70歳に達したときはその翌日に被保険者資格を喪失する。

  答えはバツ。死んで年金を出る時は原則通り翌日です。70歳に達したらその日に放り出されます。

 

平成19年 厚生年金保険法 問8 肢B

任意単独被保険者は、厚生労働大臣の認可があった日に、被保険者の資格を取得する。

 

 原則通りに、手続き済んだらその日にゲットです。答えはマル。

 

 次はちょっと変わったケース。

平成20年 厚生年金保険法 問2 肢B

適用事業所に使用される高齢任意加入被保険者の資格を有する者が、初めて納付すべき保険料を滞納し、督促状の指定の期限までに、その保険料を納付しないときは、その者の事業主(第2号厚生年金被保険者又は第3号厚生年金被保険者に係る事業主を除く。)が、当該保険料の半額を負担し、かつ、その被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負うことにつき同意したときを除き、指定の期限の翌日に当該被保険者の資格を喪失する。

  初月にカネを払わなかった場合のことです。「翌日」という言葉があるので思わずマルだと言いたくなりますが、カネ払わんやつはそもそも最初から入ってなかったことになります

 じゃあ初月じゃなくて途中で払わんかったやつはどうなるのか

平成27年 厚生年金保険法 問2 肢C

適用事業所に使用される高齢任意加入被保険者は、保険料(初めて納付すべき保険料を除く。)を滞納し、督促状の指定期限までに、その保険料を納付しないときは、当該保険料の納期限の日に、その資格を喪失する。なお、当該適用事業所の事業主は、保険料を半額負担し、かつ、その保険料納付義務を負うことについて同意していないものとする。また、当該適用事業所の事業主は、第2号厚生年金被保険者又は第3号厚生年金被保険者に係る事業主ではないものとする。

  答えはバツ。彼が被保険者なのはカネ払ってた月の末日までです。前回のケースと合わせてかんがえると、要するに被保険者でいられるのはカネ払ってる月までということです。

 

 

 適用除外

 さぁ、法律でよくある「例外」の時間です。適用事業所の70歳未満は当然被保険者といいましたが、現実を思い出していただくと全員が厚生年金に入ってないことがお分かりになるかと思います。彼らはこの「例外」だからです。

 

  1.  臨時に使用される者で、日々雇い入れられるもの
  2.  臨時に使用される者で、2月以内の期間を定めて使用されるもの
  3.  所在地が一定しない事業所に使用されるもの
  4.  季節的業務に使用されるもの
  5.  臨時的事業の事業所に使用されるもの
  6.  一定の短時間労働者

 

 まぁとりあえずあんま働かない奴は入れてくれません

 

平成19年 厚生年金保険法 問1 肢C

適用事業所以外の事業所で臨時に使用される70歳未満の者(船舶所有者に使用される船員を除く。)であって日々雇い入れられる者は、その者が1か月を超えて引き続き使用されるに至った場合には、事業主の同意を得た上で厚生労働大臣の認可を受けて、任意単独被保険者となることができる。

  太字の部分がいまやりました、適用除外の人でした。日々雇い入れられてる人ですね。ただし、その「日々」が積もり積もって一か月を超えると厚生年金に入れるようになります。任意単独被保険者とは「入らせてくれや」と言える人でしたね。〇。

平成27年 厚生年金保険法 問2 肢D

 季節的業務に使用される者(船舶所有者に使用される船員を除く。)は、当初から継続して6か月を超えて使用されるべき場合を除き、被保険者とならない。

  季節的業務は4か月で日保険者になれます。この問題は「6」を「4」に変えないといけません。バツ

平成25年 厚生年金保険法 問1 肢E

臨時的事業の事業所に使用される者であって、その者が継続して6か月を超えない期間使用される場合、厚生年金保険の被保険者とならない。

 

  マル。臨時的事業は6か月です。

 

平成29年 厚生年金保険法 問4 肢B

1週間の所定労働時間及び1か月間の所定労働日数が、ともに同一の事業所に使用される通常の労働者の4分の3以上であっても大学の学生であれば、厚生年金保険の被保険者とならない。

  4分の3以上働いてればOKです。〇。

 

 ちなみに、適用除外に当てはまろうがすべてを蹴散らして通っていくのが船舶所有者に使用される船員です。彼らは厚生年金に入れます。

 

 適用除外は適用除外そのものよりも、「適用除外の例外」みたいな問題が出ます。1か月以上ならいいけどね、とか6か月超えたらいいけどねとかそういうのです。

 

 

 

 

 第一号・資格の確認

 第一号厚生年金被保険者の資格の得喪 及び 第一種⇔第三種の種別変更は厚生労働大臣おじさん(あるいはおばさん)が「あい、わかった」と確認することで効力を生じます。そうとはいえ「イリヤスフィールフォン・アインツベルンの資格確認しました」と一人でのたまっていても確認したことにはならないのは無論です。

 確認の方法はいくつかあって、主たるは「事業主の届出」「被保険者又は被保険者であったものからの請求」です。

 

 ただし、

  1.  任意適用事業所の適用取消による資格喪失
  2.  任意単独被保険者

 は例外です。自動的に資格が消えます。

平成16年 厚生年金保険法 問8 肢B

適用事業所に使用される高齢任意加入被保険者の資格の取得については厚生労働大臣の確認を要しない。また、資格喪失の理由が、被保険者が事業所に使用されなくなったときや被保険者が使用される任意適用事業所の事業主が厚生労働大臣に適用取消しの認可を受けたときも確認を要しない。

  高齢任意加入被保険者は確認が要りません。任意単独被保険者と年齢以外が似てるからだと考えるとすんなり理解できます。ただし、資格喪失が任意適用事業所の適用取消にある場合は確認が必要なことに注意。

 平成27年 厚生年金保険法 問1 肢B

 厚生年金保険法第27条の規定による当然被保険者(船員被保険者を除く。)の資格取得の届出は、当該事実があった日から5日以内に、厚生年金保険被保険者資格取得届・70歳以上被用者該当届又は当該届書に記載すべき事項を記録した光ディスクを日本年金機構に提出することによって行うものとする。

  答えはマル。届け出は5日以内です。資格喪失も5日以内です。船舶の場合は10日以内と短くなります。

 

標準報酬月額

 健康保険法の場合と同じく、毎月もらってる金によって標準報酬月額が決まります。毎月微妙なバラツキがあるので「大体ここら辺」という額を決めているんですね。

 そして健康保険法の場合と同じく「定時決定」「資格取得時決定」「随時改定」「育児休業等終了時改定」「産前産後休業終了時改定」の五つの決定があります。また、被保険者の全体の様子を見て「等級区分の改定」もあります。健康保険との違いをかみしめながら過去問を解いていきましょう。

被保険者期間

 厚生年金も国民年金と同様にどれぐらいの長さ、支払いを続けて来たかが重要です。計算期間は「資格取得月」から「資格喪失の前月までです。

平成20年 厚生年金保険法 問2 肢E

平成20年4月30日に適用事業所に使用され、平成20年5月31日に当該適用事業所に使用されなくなった厚生年金保険の被保険者(70歳未満であり、退職後は国民年金の第1号被保険者となるものとする。)の保険料は、4月分と5月分の2か月分が徴収される。

  基本的な問題だと思います。資格喪失は5/31ではなくて、その翌日であるという部分がポイントです。資格喪失は6/1なので、保険料はその前月である5月まで徴収されます。答えはマル。