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マズローに代わる新しいピラミッド【「野蛮な進化心理学」】

 本日のテーマは進化心理学です。

 実のところ本書は、私たちが抱く一番大きな問題、つまり人生の意味とはなにかという疑問について論じたものだ。

野蛮な進化心理学―殺人とセックスが解き明かす人間行動の謎

野蛮な進化心理学―殺人とセックスが解き明かす人間行動の謎

 

 鍵となる五つの要素

  1.  (意思決定の根底にある)単純で利己的なルール
  2.  単純なルールだからといって私たちが単純ということにはならない
  3.  単純だからといって不合理だということにはならない
  4.  利己的なルールだからといって利己的な人間が生まれるわけではない
  5.  単純なルールは社会の複雑性へと展開する

 わたしたちの意思決定の根底には単純で利己的なルールがある……そうであるならば、わたしたちはまずそのルールが知りたいと思うはずです。

 

 単純で利己的なルールとはすなわち、

(1)心はぬりえ帳

 あらかじめ決められた部分もあるが、私たちがどんな色を塗るかという自由もある。

(2)単一の「自己」は存在しない

 モジュール式の下位自己がいくつか集まっており、それぞれの下位自己にはそれぞれの専門分野がある。

(3)自己を構成するモジュールは全部で7つある

 人間が解決する必要のあった重要な問題に対してそれぞれモジュールが対応すると考えると、合計で7つの下位自己が考えられるという。:

 ①チーム・プレイヤー 提携に関連する問題や好機に対処する

 ②野心家 地位に関する問題や好機に対処する

 ③夜警 自己防衛に結び付く問題や好機に対処する

 ④強迫神経症患者 病気の予防を担当する

 ⑤独身貴族 配偶者の獲得に携わる

 ⑥よき配偶者 配偶者との関係の維持を担当する

 ⑦ 親族の世話に結び付く問題や好機に対処する

 

 人間はみな多重人格者であり、危険な状況に直面すると「夜警」が顔を出します。

 これを基にして、人間の欲求が改訂されます。↓

 

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マズローのピラミッド

https://caretore.com/keyword?q=6rrspyxl

 

 よく知られたマズローの欲求階層説。著者は「彼のピラミッドは保存に値する」としながらもその問題点を指摘しています。

① 繁殖がもつ中心的な重要性を理解していない

 セックスが、文化的な高次の段階へ移行する前に解消すべき卑俗な問題に!

② 高次欲求が生物学とは関係がない

 「人間以外の動物が詩を書いたり、曲をつくったり、建築学を学んだりしないから

 といって私たちの文化傾向が標準的な生物学からいくぶん外れていると言えるだ

 ろうか?」野蛮な進化心理学―殺人とセックスが解き明かす人間行動の謎

 

 そこで改訂版は次のようになります。

① 自己実現の追放

② 繁殖に関連する三つの新しい上位階層

③ 欲求を積み上げず、重ね合わせた(低次も高次もいつでも相変わらず重要)

 

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ケンリックの欲求ピラミッド

https://twitter.com/selfcomestomine/status/1169267671789006848

 

感想

 あなたが今にんじんブログを見ているのも、

 究極的には繁殖に関係しているそうです。

 

 

 心理学のつらいところですが、とにかく一般化がキツい。当たり前ですがいくつかの大学の実験室で再現できたからといって「俺たちみんなこうなんです」ということはできません。心理学の本読むたびに言ってる気がしますが。

 しかし、男のほうが「美女に限る!」で、女が「地位がある人に限る!」というのはけっこう実感には合いますよね。女性ももちろん美男子には性的に興奮するのですが美男子だけではそういう対象にはならないんですね。育てていけないと困るわけです。逆に男のほうは精子さえ出せればいいので顔が良ければOKOKとなる。イケメンに限ってんのはどっちだという話です。

 

 最近マズローの階層説がTwitterで叩かれてますが、これならマズローのほうが良かったともいえます。しかし「自己実現」ってのも一体なんなんだという話で、こちらのほうが合理的なのはわかるのですが、うーん。