にんじんブログ

にんじんの生活・勉強の記録です。

MENU にんじんコンテンツを一望しよう!「3CS」

(メモ)生態と環境・進化

 生態学ecologyとは、生物と環境・生物と生物の相互作用を研究する学問である。地球上でもっとも大きな生物学的系は「生物圏biosphere」であり、生命の存在範囲である。生物圏は山頂から深海まで広がるが、地球全体でいえば””皮””程度の厚みしかない。生物圏は太陽光以外、外部から寄与されるものはない閉鎖系であり、太陽光が全生命のエネルギー源である。地球が閉鎖系であるから、生命はその活動に必要な物質を再利用しなければならないさだめにある。

 生物圏は、特定の気候によって特徴づけられる地域であるバイオームbiomeに分けられ、その環境に適応した生物が暮らす生物群系をつくる。水中のバイオームを特に水生生活帯aquatic life zonesと呼び、サンゴ礁、河口、深海、大陸棚の四種に大別できる。

 ある地域に生息するすべての生物と、それらの生物の物理的化学的環境の総体を生態系eco systemsと呼び、生物圏は最大の生態系である。定義から、生態系は生物要素と非生物要素に分かれる。生物種は特定の場所を占有していることがおおく、個体の集まりを個体群と呼び、さまざまな種の個体群の集まりを生物群集という。ある生物種についての説明はその生息場所habitatに始まり、その生物がどのように生態系に適応しているかという生態的地位(ニッチ)ecological nicheに続く。

 生物の生存は生産者producersと呼ばれる生物グループによる、二酸化炭素と太陽光と水から有機分子を作り出す光合成photosynthesisの過程のおかげで成り立つ。消費者consumersは生産者の恩恵を受けて生活する大きな生物グループであり、(1)草食動物(2)肉食動物(3)雑食動物(4)分解者の4つに分けられている。生態系のなかで生物はほかの生物の食物源となっており、これが食物連鎖food chainを作る。食物連鎖は生産者からはじまる生食連鎖grazer food chainと、動植物の死骸やフンからはじまる腐食連鎖decomposer food chainの二種類の連鎖がある。死骸やフンはバクテリアと菌類のいる土壌や水に入り込み、有機物を形成する植物に再び取り込まれていく。連鎖はいくつも折り重なり、食物網food websを作る。食物連鎖は単に食う食われるの関係以上に、エネルギーと栄養塩類循環の経路であるとみることができる。生態学者は生物を食物連鎖の段階に応じて分類している。これを栄養段階trophic levelというが、それぞれの段階における生物量を示した図を生物量(バイオマス)ピラミッドbiomass pyramidといい、これらはその段階に含まれている化学エネルギーのピラミッドであるエネルギーピラミッドにおきかえることができる。

 私たちが世代交代できるほど長く種を続けられるのは、エネルギー循環のためではない。エネルギーは太陽光から得られ、やがては熱として地球外へ飛び出て行くため、再利用は不可能である。一方、土壌や空気、水中にいる栄養塩類は永久に再利用できる。それらは植物に取り込まれ、動物に受け渡され、動物のフンや死骸が分解され、ふたたび戻って来る。このサイクルを栄養塩循環というが、生物地球化学循環ともいう。このサイクルは環境的過程と生物的過程にわけられる。重要な循環は「水循環」「炭素循環」「窒素循環」であるが、これらを含め、栄養塩循環は人間の活動によって乱され、生態系に混乱が生じている。

 

 

 以上、ヒトの生物学 体のしくみとホメオスタシス 第24章を要約。

 

 

 地球上での生命の進化は三段階に分かれる。

  1.  化学進化chemical evolution……無機分子から有機分子ができる。地球誕生後、5~6億年ころにはじまった。もとは水蒸気とメタン、アンモニア、水素などの単純な構成だったが、太陽光、火山熱、稲妻によって互いに反応し単糖やアミノ酸などの有機分子がうまれた。次にそれらが連なってできた多量体(ポリマー)ができ、タンパク質、RNA、DNA分子がうまれた。
  2.  細胞が生まれる……原始細胞はポリマーと脂質の単純な集合体。そこから単細胞生物(無機→有機を自分でつくるメカニズムをもつ)がうまれ、酸素が増える。これらは核をもたない生物、原核生物であるが、やがて核をもつ真核生物がうまれる。
  3.  多細胞体が生まれる……真核生物があつまる。

 

ヒトの生物学 体のしくみとホメオスタシス

ヒトの生物学 体のしくみとホメオスタシス