にんじんブログ

生活の記録です。

≪アニメ≫とらドラ! 二人は「家族」に帰る

 とらドラがいつのアニメだか覚えてらっしゃいますでしょうか。

 2008年10月1日から年度末までに放映されたものです。恐ろしいことに誰一人スマホを持っていません。全25話、OVA未視聴です。

 

 ちょっと長いので時間がないぜという人は最後のまとめだけ見ればいいかもしれません。「読むぜ~超読むぜ~」という人は全文どうぞ。いつものような「自説」とかじゃなくてただの感想なのでそのおつもりでオネガイシマス。

 

 

 全部見終わって

 にんじんはあんまり恋愛ものは見ません。

 というよりも、ラブコメであろうが恋愛を主眼として見ないところがあります。このとらドラ!も例外ではなく、にんじんはいわゆる「恋愛モノ」を楽しんではおらんのでしょう。特に外見的な好みもないので職場の人が女性同士の会話のついでに「〇〇なほうが男の人は可愛いと思いますよね」と話しかけてきても、実は特にどうとも思いません。にんじんにとってたとえば身長が高いとはびっくりするぐらいの巨人のことで、逆に身長が低いとはホビットのことで、それ以外は身長の高い低いを判定したりはせんのです。

 そういう具合なので竜児と大河が櫛枝と北村のことが好きだ好きだと言っていても「なるほどね、そういう設定で来たか。んじゃ全体の流れはこうなるな」と構成の予想をしだす始末で、感情移入もしないという不良視聴者になってしまいます。物語のキモはそこをいかに崩してくるか、あるいは王道をいかに盛り上げるかにあるので、そこばかり見ています。そういう意味ではとらドラは「盛り上げ方がうまい」作品ということになるでしょう。予想を裏切られたことは一度もありませんでした。あくまでアニメの話ですが。

 また、文化祭以降特に顕著なのはクラスメイトとの関わりです。生徒会もありますね。アレに関してはスピンオフまで出てますが、ともかく重要なのはキャラクターが新たに用意された枠組みの中で動き回るようになることです。なにしろ文化祭のあとは「生徒会選挙」「クリスマスパーティ」「修学旅行」ですからね。時折垣間見えるクラスの団結力ににんじんは動揺しつつ見ておりました。もっとクラス内の友情に冷めたキャラはおらんのか?

 「クラスの一員」となることによって大河どころかみのりん、北村くんさえもキャラが弱くなってきます。最初期のテンションは影をひそめ、それぞれのポジションができてくる。終わりに向かって突き進まないと駄目だからしょうがないのですが、そこに若干のくさみを感じるときもあります。

 たとえばいなくなった大河から星空の写メがクラス全員(!?)に届きます。それからみのりんがいいことを言うのですが、川嶋さんがからかわれるように相当こっぱずかしい。北村くんにしても全校生徒の前で告白したり、自らの内面を集団の前で開示します「な、なぜ、なぜこの人たちはここまで同じ学校の生徒を信頼できる……クラスメイトを……あ、あ」陰の者であったにんじんは痙攣しはじめ、

 

すてきなひとりぼっち

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集団

 もしにんじんがとらドラの作者だったら、竜児はみのりんとくっつき、大河は引越していなくなり、あとで二人のもとに見知らぬ誰かとの結婚を知らせるエアメールが届くことでしょう。クラスメイトやイベントはもちろん描きますけど、それは存在してないと不自然だからで、別に役割を持たせたりはしません。大河からクラスメイトにメールが届くシーンとか、にんじんは絶対入れないでしょうね……。

 ところで。

 にんじんはとらドラを恋愛モノではなく家族モノとして見ます。少なくとも純正の恋愛モノではありません。ここでいう家族というのは血縁ではなくて、クラスメイトなども含めた何を考えているかわからない他者との共同体のことです。わからない他者との関わりを学ぶ過程だといってもよろしいです。だからクラスとの関わりはとらドラにおいては必然的なわけです。初期において、大河は「うわっ 手乗りタイガーだ」と廊下で道を譲られる存在だったのですが後期には親しく話しかけられるまでになっています。

 

家族という病 (幻冬舎新書)

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とらドラというゲーム

 たとえるなら、将棋というゲームプレイです。大河は将棋界におりますが、まともに将棋を打ったことはありません。「なんで字が違うだけで動かし方まで変わるんだ、王将ぐらい手でとりゃいいんじゃ、盤面なんてひっくり返せ」と言っております。

 けれどそんな滅茶苦茶なプレイヤーに北村くんが来て「一緒に打たないか! お前の滅茶苦茶なところが好きだ!」と言われます。一旦は断ったものの、徐々に気になりだす。次いで、実際一緒にやりたくなる。けれど、大河のルールは北村くんさえも理解してはおらん。「どうしてわかってくれないのよ!」と騒ぐ。

 けども諦められない理由もある。それでちょっとルールを学ぼうとしてみる。将棋界のイベントにも出る。周りに流されながらもとりあえず打ってみるうちに少しずつわかってくる。他の人とも普通にゲームができるようになる。それでようやく将棋界の一員になっている……。

 

 ともかく、このお話の主題は恋愛ではないだろうということです。家族になることです。ゲームを外から見て「わからん!」と言っているのではなく参加しましょうといっています。その動力として恋愛が使用されているという具合。恋愛と結婚と家族形成は川の流れのようにつながっているので、恋愛はなおさら動力として適当なのです。一方で集団を礼賛しているのではなく、みのりんの言う通り「何が幸せかどうかは私が決める」ことで個性が生きてくるのです。集団だけで生きると、役割を演じるだけになってしまいますからね。

 

集合・位相入門

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まとめ

 さて、雑多に色々書いてきたので混乱してきました。まとめましょう! 

 にんじんを以て見れば、とらドラは恋愛モノではなくて、謎の他者で構成される共同体を受け入れようとする物語です。家族的共同体を形成する話ではありません、あくまでもともとあるものを受容するだけです。その推進力として恋愛が取り上げられているのです。

 にんじんは恋愛結婚家族になることを互いに影響を及ぼすにしてもそれぞれ独立のものだと鑑定しておるので、はい恋愛ものですといってとらドラを差し出されることに強烈に違和感を覚えるのです。

違和感

 また、受容するだけなので「本当にこれでよかったの?」という感じも視聴後に起こってきます。大河は選択をしたのではなくて「選択肢がそれしかなかったのでは?」という疑惑。逃げちゃ駄目だと碇シンジくんみたいになって竜児たちの前からいなくなりますけど、本当に「家族ってそういうもん」なの? 同じことを繰り返してない? というような不安。同じことを繰り返しているのだけど、大河は変に利口になったので、今度はそのせいでその危ない家族構造から抜け出せなくなるのでは? 一回見ただけの感想ですけど、大河って我慢と受容しかしてなくて、実は一度も選択などしていないのではないかと思っております。

 竜次と大河は間違いなくお互いを好きあっているように見えるし、設定上もそうなのですが、第一話からそうなることは目に見えていました。一人ぼっちのところを身の回りの世話から何から何までやってくれて朝から晩までほとんど一緒にいるのに、くっつかないほうがどうかしています。好き云々というより、横にいるのが当たり前なのです。

 もしも大河と竜児の家が離れていて、お互いの秘密を知っているだけの関係だったら、大河が竜次を選ぶ理由ってないと思うんですよね。「いいやつだこいつは。何でも相談できる」と思うかもしれないですけど、結婚まではいかない気がする……。そういうところからも、竜次と大河は恋愛というよりもむしろ最初に結婚から入っているように見えます。そしてやっちゃんが「わたしたちは三人家族なんだから~」と言う。そして大河は毛穴がぶわ~っとするぐらいそれを喜ぶ。その受容の結果として、竜次を選んでいるのではないかと疑ってしまうのです。別に好きだとかじゃなく。

 でも北村くんと竜児を秤にかけて、竜児を選んだのでは。

 そんな反論がすぐに聞こえてきそうです。たしかにそうですし、設定上もそうなのでしょうが「果たしてそうでしょうか」と考えてしまう!( ˙ᾥ˙ ) 竜児を選ぶというのが自然すぎて、選択した感じが一切しない……

 

 

とらドラ! 文庫 全10巻 完結セット (電撃文庫)

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まとめ(2)

 微妙な感じで書いてますが、とらドラは面白かったですよ! 誤解なきよう!

 竹宮ゆゆこさんの作品は他にも知らない映画のサントラを聴くなどを読んだことがあります。以前どこかで書評めいたことを書きましたがすっかり忘れてしまいました。ただ、結論だけは覚えています。あれは多分、最高にバッドエンドです。よくよく読んでみると「えっ……」と思う箇所が多いのです。見た目はいい感じに終わったみたいになってますが……。

 上記のまとめからいけば、とらドラもけっこうキツいのですが、バッドかどうかは大河たちのこれからで決まるみたいなところに救いがあります。というか、上のは完全ににんじんの妄想なので少なくとも設定上はハッピーエンドだと思います。

 

 

やったぜ♪( ◜௰◝و(و “

 

 

――それは、2人が1度離れて……ってことですか?

竹宮先生:そうですね。最初は、大河がアメリカへ行くってアイデアもあったんです。

――アメリカですか!

竹宮先生:国内じゃ物理的に近すぎてダメなんじゃないかなーと、ぼんやり考えていたんですけど……。

――先にすみれ兄貴がアメリカに行っちゃいましたもんね。

竹宮先生:そういうこともあって、この形に落ち着きました。下手したら、『とらドラUSA!』が始まっていたかもしれません(笑)。

電撃 - 『週刊とらP!』竹宮ゆゆこ先生を直撃! いろいろなことを聞いてみた・その1

 二人は絶対に一度離れないといけなかったですね。大河はもっと広い世界を知って、その上で竜児の所へ戻ってこないといかんのです┗(^ω^)┛

 竹宮ゆゆこさんも「どうして竜次を選ぶの」という問題は相当考えただろうことがうかがえます。そう、竜児が家事ができる便利なやつだからではいかんのです。

 さあ 次は「とらドラポータブル」へ行きましょう! 

 

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