にんじんブログ

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「変化の原理」

 にんじんが良いなと思った本をちょっと紹介するコーナーです。

 今回は「変化の原理」です。

 

 いわば臨床心理に関する本なのですが、にんじんのような門外漢が読んでも大いに得るところがある本です。タイトルに「CHANGE」とあるように、変化について扱う本なのですが、取り扱っている変化が非常に面白い。

 たとえば不眠症の人があるとします。彼は自分の眠れない状態をどうにかするために、意志の力を総動員してがむしゃらに寝ようとするわけです。しかし、眠りとは自然に訪れるものであって、りきんでどうにかなるものではない。けれども「眠れない」を解消するために、彼は「眠る」という反対の力をかけ続けることしか知らないので、果ては睡眠薬に手を出し、薬がなければ眠れないなど、不眠症をどんどん悪化させていくことになります。

 また、うつ病の人がここにいるとします。彼に「がんばれ」と声をかけることは良くないことだというのはよく知られた忠告です。それというのも、ここにも不眠症と同様の心理的な力学が見られるからであります( `ᾥ´ )。彼は自分の悲観をどうにかしようと試みるため、悲観でない方向、つまり楽観に行こうと努力します。そこへ「がんばれ」と、彼を楽観に引こうとするものが現れるとどうなるか。彼は楽観的になれない自分を責めるのと一緒に、がんばれと支援する人々からもある種の圧力を感じるようになります。それはたとえば楽観的になれない申し訳なさなどです。高ストレスにおかれれば人間は自然と憂鬱になるもので、うつ的傾向はさらに深化していく次第となるわけです。

 

 このように、プラスマイナスゼロにしようとする変化、逆へ行こうとする変化、同じところをぐるぐるめぐる変化を、著者は「第一次変化」と名付けています。そして問題の解決をもたらすものはシステムそのものを変えるような、ある種、非合理的な「第二次変化」であると主張しているのです。

※問題の解決への努力がさらなる問題を生み出すパターン。他にもいろんな問題と、誤った解決のパターンが書かれています。全部第二次変化で解決するといってるわけではない。

 なんだか森田療法の「あるがまま」だとか、この頃にんじんが考えてきたこととか、いろいろを総合してくれるような気がして楽しく読んでいます。

 

 

森田療法 (講談社現代新書)

森田療法 (講談社現代新書)

 

 

 変化の原理を読んだあとはこちら。

  出会うべくして出会った本だな、みたいな感動に打ち震えております。

よいは悪い―暗黒の女王ヘカテの解決法 (りぶらりあ選書)

よいは悪い―暗黒の女王ヘカテの解決法 (りぶらりあ選書)