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にんじんと読む「生の短さについて」

生の短さについて

 セネカ著。

 生は浪費すれば短いが、活用すれば十分に長いと説く『生の短さについて』。心の平静を得るためにはどうすればよいかを説く『心の平静について』。快楽ではなく徳こそが善であり、幸福のための必要十分条件だと説く『幸福な生について』。実践を重んじるセネカ(前4頃―後65)の倫理学の特徴が最もよく出ている代表作3篇を収録。(新訳)

生の短さについて 他2篇 (岩波文庫)

 

 

  1.  「われわれの享ける生が短いのではなく、われわれ自身が生を短くするのであり、われわれは生に欠乏しているのではなく、生を蕩尽する、それが真相なのだ」
  2.  「いささかの安らぎのひとときがたまさか得られても、あたかも颶風が収まってなおうねりを打つ大海原のように、彼らの心は波立ち、己の欲望をしばし離れて憩うことすらままならないのである」
  3.   人間は「生=時間」については浪費家になる。債権のために時間を使い、他人のために無用な時間を使い、時間が有限であることを忘却する。
  4.  アウグスティヌスの閑暇への強い願望。「外部から襲いかかり、外部から打撃を与えるものが何もなくとも、盛運は自壊するものだからである。」
  5.  キケローの嘆き。「賢者は、半ば自由、半ば囚われの身であることは決してなく、常に完全で確固とした自由をもち、解放された者であり、自権者であり、余人の上に立つ存在なのである。いかにも、運命の上に立つ者のさらに上に立つものが何かあろうか」
  6.  生は短くなる。なぜなら我々はいたずらにそれが過ぎゆくのを許しているからである。再び手に入れることができるものであるかのように。
  7.  酒と性のためだけに時間を浪費する者。「何かに忙殺される人間の中でも、彼らほど恥ずべきことに没頭している者はいない」 生きることの希薄さ。生きる術は生涯をかけて学び取らねばならないもの。「彼は長い間航海したわけではなく、長い間翻弄されたに過ぎないのである」
  8.  時間の価値。死が近づいてはじめてその貴重さに気づく。
  9.  予見すること、計画すること。生の犠牲の上に、生を立てようとすること。
  10.  過去という器。流れていく時間を受け止めてくれる器。過去を振り返らない者は、器に穴が空いている。

 

 というような話が延々と続く。第十三節まで、次のように要約してもよいだろう。

「生が短いのではなく、短くしているのである。多忙な人は快楽のために生を削るが、真に生きている人は閑暇の中にある」

 

 「じゃあ部屋でだらだらニートをしていればいいのか」と聞きたくなるが、第十四節にて目指すべき像が示される。

すべての人間の中で唯一、英知(哲学)のために時間を使う人だけが閑暇の人であり(真に)生きている人なのである。

 過去には色々な人物が書物を書いている。さまざまな結果があり、それをもとに考えることができる。それが第十節で述べた過去の重要さであろう。

 

 

 ②について。

 これはパスカル『パンセ』を思い出す。

  私たちは本質的に、つねに満足できない存在なので、 気ばらしや仕事などに熱中していた状態からふと我にかえると、 たちまち退屈になり、 けだるい気分、むなしい心が心の奥底から出てくるのだ

パンセ (中公文庫)

  ③について。

 これは「パーキンソンの法則」を思い出す。

第1法則
仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
第2法則
支出の額は、収入の額に達するまで膨張する

パーキンソンの法則 (至誠堂選書)