物理学者が数学者を批判するのはよくあることだが、『物理入門』(砂川)を見ていても、なるほど噛み合っていないなと感じる。
物理の人は「そんな体系つくられても」というが数学的体系……現段階での物理言語が作れないのでは、マニュアルのないバイト先みたいなもんで、それをようご存じのやつはええかしらんけども、新規にやさしくないし、それ以上に、修正がかかったときにその影響がどのようにどこまで及ぶかについて検討することができない。
一方、数学屋は「俺は現実を扱ってるぜ」みたいな顔をするので、働いたこともないのに会社について語るみたいなことになっている。現実を見ているのは実験して現象と日々向き合ってその複雑さや難解さを知っている物理店長なのだが、ふだん何もしないのに急に「監査です」みたいな顔でやってくるから嫌われるのだろう。