にんじんブログ

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にんじんと読む「おしゃべりな腸(ジュリアエンダース)」🥕 ④

 小腸における脂肪の吸収は、血管ではなくリンパ管を用いて行われます。リンパ管は血管の横を通っている管のことです。小腸においてはこのリンパ管がすべて集まり、一つの大きなチューブとなって、脂肪を吸収しています。もし小腸のひだひだの血管から脂肪を取り込もうとしたら、すぐに詰まってしまうでしょう。この大きなチューブを「胸管(きょうかん)」といいます。

 ここに集められた脂肪は、まっすぐ心臓へと向かいます。血液の場合は肝臓による検査が入りましたね。でも脂肪は検査されません。だから、””悪い油””はダイレクトに体に影響を及ぼします。エクストラバージンのオリーブオイルはおすすめです。値は張りますけどね。……でも、オリーブオイルをフライパンで熱するのはいけません。熱によって脂肪酸が変性してしまうからです。焼き料理には調理油、バター、ココナッツ油などの固形油脂を使用しましょう。それから高級な油はすぐに「フリーラジカル」という不安定分子と結びついてしまいます。フリーラジカルは化学反応しやすく体内で悪さをするので、高級油はきちんと冷蔵庫で保管しましょう。でも当たり前ですが、使い過ぎは害がありますよ。

 

 さて、糖質と脂肪についてはお話ししました。次は「アミノ酸」です。アミノ酸は組み合わさって、「タンパク質」になります。アミノ酸の種類は20種類あります。私たちが食べるものはすべてアミノ酸が含まれていますが、肉を食べずに必要な分を補給するのは至難の業です。植物性と動物性のものは含まれているアミノ酸が異なり、植物だけではほとんど摂取できないものがあります。これゆえ植物性タンパク質は不完全たんぱく質とも呼ばれます。

 ベジタリアンはやめろ、と言いたいわけではありません。たとえば「豆類」は畑のお肉と呼ばれていますね。でも豆も植物なので、メチオニンというアミノ酸が不足しています。ところが他の植物と組み合わせることで、補い合うことができます。実はそれが米です。米と豆はこの””補い合い””の模範的なカップリングです。蕎麦も重要なアミノ酸を十分に含んでいます。

 この頃は大豆アレルギーを起こす人が増えています。アレルギーの発生には小腸での消化が関係しています。タンパク質が十分バラせなかった場合、小さな物質が腸内に残りますが、これがリンパに入り込むと、体内を見回っている免疫細胞にとっ捕まり、異物認定されて攻撃されるのです。この次に豆なんて食べた日には””シバくリスト””に入っているのでボコボコにされます。だからアレルギー反応を引き起こす食品は””分解されにくいもの””であり、たとえばベーコンのようなお肉はアレルギーになりません。私たちはそうしたものを消化するのがもともと得意だからです。

 

おしゃべりな腸

あなたの体は9割が細菌: 微生物の生態系が崩れはじめた

脳はバカ、腸はかしこい