にんじんブログ

にんじんの生活・勉強の記録です。

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2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

にんじん映像庫「パッセンジャー」

冷凍睡眠から途中で目覚めてしまったら、というシチュエーションをそのまま映画にしている。与えられた設定が自然にぱたぱたと展開していく序盤・中盤こそこの作品の見どころであり、空虚な宇宙空間を漂う船と機械的な明るさが孤独に生きてゆく虚しさを際立…

ここは家ではない(日記)

2022.05.22記 あまりにも衝撃的だったので書かずにはいられない。 誰かが間違って部屋の火災報知のボタンを押したらしく、アパートのサイレンが鳴り響いた。呑気な当人はいつまで経っても対処しないのでサイレンは鳴り響き、呼ばれてやってきた消防隊員も「…

にんじんと読む「菜根譚」前集1

一 棲守道徳者、寂寞一時。依阿権勢者、凄凉万古。達人観物外之物、思身後之身。寧受一時之寂寞、毋取万古之凄凉。 道徳に棲守する者は、一時に寂寞たり。権勢に依阿する者は、万古に凄凉たり。達人は物外の物を観、身後の身を思う。むしろ一時の寂寞を受く…

にんじんと読む「日本の自然崇拝、西洋のアニミズム(保坂幸博)」🥕

「宗教とはなにか」が問われていない 日本においてはオウム真理教の一連の事件において、宗教というものに一挙に注目が集まった。事件の背景にあった宗教とそれに対する熱狂的な信仰がもたらした残虐な行いはマスコミにも多く取り上げられることとなったが、…

にんじんと読む「フッサールの現象学(ダン・ザハヴィ)」🥕 ②志向性という概念

志向性という概念 志向性というのは対象と作用との根本的な結びつきのことであり、「意識は~についての意識である」という風な標語もある。だがそれは一体どのような結びつきなのか。 最もシンプルに思いつかれるのは客観主義的なものである。対象に向けら…

にんじんと読む「フッサールの現象学(ダン・ザハヴィ)」🥕 ①フッサールの心理主義批判

フッサールの心理主義批判 『知覚すること、信じること、判断すること、認識すること、これらはいずれも心理的現象であるから、これらの構造を調べるには心理学を用いなければならない。つまり論理学というのは結局心理学の一分野であり、論理法則は心理学的…

にんじんと読む「貧しい人を助ける理由」🥕 途中まで

四つの基礎的人間的ニーズは、飲み水・食料・住居・基本的な保健医療サービスである。およそ30億人がいずれかひとつが欠けた状態にあり、毎日5秒に1人の割合で死ななくていい子どもが死んでいく。祖父母世代ではこうした状況を「十分な資源がないからだ」と…

コンビニの店員(日記)

2022.05.12記 この前コンビニに行ったら支払が機械になっていた。金を出したら店員が「どうぞ」と言って機械を指差し、こちらの様子をうかがっている。支払いを済ませるとレシートが出てきて商品をとって帰ったのだが、店員がその間中、ずっとこちらの様子を…

にんじんと読む「経験の構造」🥕 第二章

第二章 真理と実在 現出を手持ちに説明していこうとするとき、「あれはたしかにヘビだ」というためには、ありとあらゆる側面から完全に「ヘビである」ということがわかればよいということになるが、””ありとあらゆる側面””などそれこそ無限にあるわけで一生…

にんじん映像庫「INCEPTION」

クリストファー・ノーラン監督ディカプリオ主演のこの映画は一体何度見たかわからない。夢に潜るという設定とアイディアを盗む・植えるという広げ方とその実践がもたらした一つの帰結が或る大企業の思惑を本線にして絡みついていくという物語は興奮必至の構…

にんじんと読む「経験の構造」🥕 第一章

第一章 能動的認識行為の現象学 なにかを観察する。森があって、道があって、途中にロープが落ちている。……と思い近づいてみると、ロープはヘビであった。ここでいくつかのことを確認しておこう。 同じものでも、それを見る視点が変われば見え方・現れ方が変…

にんじん映像庫「ANNA/アナ」

にんじんは登場人物全員が本気の作品が好きだ。だれかがしょうもないドジをしてわかりやすく転ぶのは好きではない。全員が本気でそれぞれの思惑に従って動き、ひとつの結末にたどり着く。だからこそ結末に価値が生まれる。作品が示す「行ったり来たり」の演…

にんじん映像庫「ペンギン・ハイウェイ」

ペンギン・ハイウェイというアニメ―ション映画は「お姉さんのおっぱい」がどうとかで話題になったのがもったいないぐらい良い作品である。””お姉さん””のおっぱいにお母さんとは違うものを感じる””アオヤマ君””だが、それは性的なものとしては描かれていない…

にんじんの書棚「終わりなき探究 The Eternal Wonder」

今回はパール・S・バックの遺作である「終わりなき探究」です。 物語は胎児の段階から始まり、彼の経験を描写していきます。泣きました、という感想でもよいのですが、この小説には色々なものが詰まっていて、とても頭が良い主人公でさえも抱えきれないほど…

カツラダ(日記)

2022.05.01記 知床遊覧船の社長として今や有名なカツラダ氏であるが、彼は事故が起きてから悪名ポイントを稼ぎ続けている。半沢がやらせたがることで評判の土下座を何度やっても、国民全員が帝愛グループ会長の顔つきになってしまっているのでさほど効果はな…

にんじんと読む「やってはいけないストレッチ」🥕

第一章 なぜ、ストレッチをしても効いた感じがしないのか? 痛みを感じるまでやると、筋肉が緊張して伸びない 体温が低い寝起きは筋肉が伸びにくい。日中にすべき。 伸ばす筋肉と反対の働きをする筋肉を意識する。『ある筋肉が収縮して運動を起こす時には、…

にんじんの書棚「セクストス・エンペイリコスの懐疑主義思想」

この本はいわゆる「ピュロン主義」=古代懐疑主義について書いた本で、彼らの哲学やそれに基づく幸福観にまで踏み込みます。あらゆる判断を保留するこの立場はどう自分たちの立場を主張し、どのようなことを幸福を考え、どう物事を探究するのか。偉そうな言…

にんじんと読む「フッサール 起源への哲学」 事象そのものへ

事象そのものへ フッサールとデカルトは超越論的動機(最終的な源泉・地盤を突き止めようとする)を共有する。だがデカルトが「絶対に疑い得ない確実なこと」を求めたのに対し、フッサールは「認識の起源」を求めた。認識の起源とは、私たちがどう考えるにせ…