にんじんブログ

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2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

にんじんと読む「フッサールにおける超越論的現象学と世界経験の哲学」🥕 はじめに

はじめに 世界があり、事物があり、我々がいる。我々は世界のうちで行動し、様々なことを経験し、世界について種々の知識を持つ。(p.i) これほど自明なことにも、哲学は疑いのまなざしを向ける運命にある。デカルトが『省察』で行った懐疑論の爆撃は、私た…

にんじんと読む「オートポイエーシス論入門(山下和也)」🥕 第二章② ここまで

オートポイエーシス・システムは、そのオートポイエーシスが維持できている範囲でネットワークに属する産出プロセスを変化させることができる。それに応じて構成素や構造も変化する。たとえばオタマジャクシがカエルになるようなもので、たとえ変化したとし…

にんじんと読む「オートポイエーシス論入門(山下和也)」🥕 第二章①

第二章 概念整理 「環境」 ・・・ オートポイエーシス・システムは自分でないあらゆるものを自分自身から切り離せるが、この時、システムから切りはなされたシステムでない一切のもの。*1 「相互浸透」 ・・・ システムの構造はその環境を巻き込んで成立して…

にんじんと読む「オートポイエーシス論入門(山下和也)」🥕 第一章

産出されたものがあれば、必ずそれを産出した働きがある オートポイエーシス論入門 第一章 定義 オートポイエーシス・システムとは、産出物による作動基礎づけ関係によって連鎖する産出プロセスのネットワーク状の自己完結的な閉域である。閉域形成に参与す…

にんじんと読む「ケアの倫理(ファビエンヌ・ブルジューヌ)」🥕 第一章のみ

以前、別の記事でまとめたように、『依存的な理性的動物: ヒトにはなぜ徳が必要か (叢書・ウニベルシタス)』において主張されていたことは、ヒト以外も含めて動物一般はその生涯において他者からのケアを必要とする存在だということであった。しかしこれまで…

KleinのErlangenプログラム

KleinのErlangenプログラム いろいろの幾何を統一し、あるいは分類する原理として提案されたのが1872年、KleinによるErlangenプログラムである。まずある空間Ω(基礎集合)を考え、Ω上の図形を考え、その図形の性質を考える。ΩからΩへの全単射写像fで、図形F…

にんじん養生訓

にんじん養生訓 戸外から帰ったら手洗いとうがいを励行せよ。そもそも、ほとんどの体調不良はいわゆる「風邪」を引き起こすウイルスに由来する。人ごみではマスクを着用するのが望ましい。これは、COVID-19の流行の有無に関わらない。 一日何食食べるかは、…

にんじんと読む「楽しむということ(M.チクセントミハイ)」🥕 第四章(終わり)

第四章 楽しさの理論モデル 自己目的的な経験は退屈ではなく、またふつうの生活のなかで入り込んでくる不安を生みださず、活動に完全に没入させ、絶えず挑戦を提供する。人は必要とする技能をフルで働かせ、明瞭なフィードバックを受け取り、すなわち人は筋…

にんじんと読む「楽しむということ(M.チクセントミハイ)」🥕 第一章、第二章

第一章 楽しさと内発的動機づけ 働くのは金を得るためだ。金を稼がないことは「非合理的」な行動であるとみなされる。ところが、にもかかわらず、そのような物的報酬を自ら放棄して藝術に精を出したり、チェスや将棋に打ち込んだり、エベレストを目指す登山…

幸福の発達過程と社会関係【「依存的な理性的動物」】

開花Flourishing 幸福への発達 社会との関係 全体の素描 過去記事 開花Flourishing 私たちがいかに「傷つきやすいvulnerable」存在であるかということ、すなわち、私たちの生が苦しみに満たされているということ。私たちは日ごろ、その憂鬱の中に身を置くよ…

「すべて」を始めた大爆発【「宇宙が始まる前には何があったのか?」】

「すべて」を始めた大爆発 アインシュタインが1916年に発表した一般相対性理論によって、それまでの静かで永遠の宇宙観は一大転換を迫られた。言い出したのはベルギーの司祭・天文学者のルメートルであり、””渦巻銀河の後退””という観測結果に基づいて、「宇…

にんじんと読む「心の進化を解明する(ダニエル・C・デネット)」🥕 第一部

第一部 私たちの世界をさかさまにする 心はいかにして存在するに至ったのか? そして、心がこんな問いを発し、それに答えるということはいかにして可能であるのか? 手短な答えを言えば、進化の産物としての心が数々の思考道具を創り出し、やがて心は、それ…

(もう一度!)にんじんと読む「現代認識論」 第一章+第二章

第一章 知識の標準分析 知っているとはどういうことか。標準的には、知識とは、正当化された真なる信念である(K=JTB, Knowledge= Justified True Belief)。自分がリストラされないのに、「自分がリストラされることを知っている」と主張するのはどうかして…

にんじんと読む「心の進化を解明する(ダニエル・C・デネット)」🥕 第四章

第四章 二つの奇妙な推理の逆転 ダーウィンがもたらしたものは神≒人間→その他というような創造理論(トリクル・ダウン理論)から、バクテリアなどの単純な生物から動物へと至る創造理論(バブル・アップ理論)への逆転であった。これを否定したい者たちは、…

にんじんと読む「心の進化を解明する(ダニエル・C・デネット)」🥕 第二章+第三章

第二章 バクテリアとバッハの間に 最初期の生命形態でさえ、それは既に複雑で秀逸きわまる自己維持システムであった―――と書くと、ちょっと妙な気がするかもしれない。 問われているのは非生命から生命への道筋、つまり、 可能な出来事がいかに配列されれば、…

にんじんと読む「笑いの哲学(木村覚)」🥕 ④

④ 機知を用いる笑いをチャップリンは狭義のユーモアと称した。では広義とはなにか。それは、「人間の生存意識」「健全な精神」に関わり、「均衡感覚」さえ私たちに与えるものだ。テレビに出てくる多くのお笑い芸人は日々、自らの機知を遺憾なく発揮している…

にんじんと読む「笑いの哲学(木村覚)」🥕 ③

carrot-lanthanum0812.hatenablog.com ③ さて、ベルクソンのいった笑いは「枠」を用いた笑いであった。だがよく注意しなければならないのは、 その烙印がおもしろい その烙印をはめられることがおもしろい のふたつがあるということだ。いわゆるあるあるネタ…

にんじんと読む「笑いの哲学(木村覚)」🥕 ②

carrot-lanthanum0812.hatenablog.com ② だが、考えてみれば笑われるのがいつも嫌なわけではない。芸人でなくとも、笑ってほしいときがある。たとえば朝ぼうっとしているときに冷蔵庫にリモコンを入れてしまったら「この前ぼけっとしててさぁ」などと言いた…

にんじんと読む「笑いの哲学(木村覚)」🥕 ①

① トマス・ホッブスは『リヴァイアサン』において、「とつぜんの得意は、笑いと呼ばれる顔のゆがみをおこさせる情念」だといい、「他人の欠陥についておおいに笑うことは、小心のしるし」であると言った。階段で転んだ人を見てあなたが笑うのは、「馬鹿だな…

にんじんと読む「心の進化を解明する(ダニエル・C・デネット)」🥕 第一章

第一章 序論 心はいかにして存在するに至ったのか? そして、心がこんな問いを発し、それに答えるということはいかにして可能であるのか? 手短な答えを言えば、進化の産物としての心が数々の思考道具を創り出し、やがて心は、それら思考道具を用いて、心が…

にんじんと読む「サクッとわかるビジネス教養 地政学」🥕

地政学・基礎概念 地球全体をマクロな視点でとらえ、世界各国の動向を分析する。特に、「アジア」「中東」「ヨーロッパ」の三大エリアをめぐる国のふるまいを研究する。現在は「中国vsアメリカ」「イランvsアメリカ」「NATO・EUvsロシア」が主な衝突になって…