にんじんブログ

にんじんの生活・勉強の記録です。

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読書

にんじんと読む「劣等感と人間関係(アドラー心理学を語る3)」

精神的な健康な人がどんなものかについて色々思いつくかもしれない。ただ身体がどんな状態であれ、人は精神的には健康でいられる。たとえ死に瀕しても。あるいは喜怒哀楽がなんでも自由に出せることは精神的に健康なこととは言えない。たとえば怒りや哀しみ…

にんじんと読む「うつのためのマインドフルネス&アクセプタンスワークブック」🥕

イントロダクション 「人が人生に求めるものはだいたい決まっています。健康、愛情ある人間関係、やりがいを感じられる仕事、建設的な気晴らし、精神的な活動、そしてレジャー活動」だがこれを求めることで「楽しいことが次から次へと起こる」わけではない。…

にんじんと読む「東洋の合理思想」

東洋思想は実践的関心を中心とし、それを知的に捉えようとするところに極めて合理的な一面がある。そのひとつの結実が仏教思想であり、これはカントの批判哲学に類し独断的な形而上学を排し現実に目を向けるものである。しかしカントの目的は近代科学の基礎…

にんじんと読む「結婚と家族のこれから」

第一章 家族はどこから来たか 説明の出発点は、「食べていくこと」です。人間、食べていくこと、つまり経済的な生活基盤がなければ生きていくことができません。逆にいえば、生活基盤が確保されていれば、あとのことは比較的自由に決められるのです。それは…

にんじんと読む「農家はもっと減っていい」🥕

第一章 農家はもっと減っていい 農家の平均年齢が上がり、農家数も減少してきています。しかし、これは特に問題ではありません。日本の農業は弱い経営体の淘汰と、規模拡大が遅々として進んでいませんでした。彼らは政府に与えられた自分たちの城のなかで全…

にんじんと読む「地球の中身」 ②生命

生命 地球が完全に形成されるに至るジャイアント・インパクトは同時に、地球を火の玉にした(マグマオーシャン)。もしも原始惑星が正面衝突したなら運動エネルギーがすべて熱エネルギーに変わり、温度は一万度。最も深い部分まですべて液体になってしまった…

にんじんと読む「地球の中身」 ①誕生

地球は半径6480kmのほぼ球体である。化学組成による違いから地殻・マントル・コアの三層に分類される。””プレート””は地殻のことではなく、力学的な性質の違いにより分類される層のひとつであることに注意が必要である。プレートとは変形しない岩板のことで…

にんじんと読む「人はなぜSEXをするのか?」

第一章 少女の身体に十分な脂肪がつくことが生理の始まりの重要なポイントとなる(行き過ぎると逆に遅れるが)。現代においては初潮年齢が12歳頃と、150年前に17歳頃だったときに比べると早まっている。ピーター・グリュッグマンは農耕社会への突入によって…

にんじんと読む「幸福は絶望のうえに」

哲学とは、言論を用いた一つの実践であって、その対象は人生であり、その手だては理性であり、その目標は幸福である。規範とすべきは「真理」であり、この真理をもとにして(それがどれほど悲しいものだったとしても)私たちは幸福を探す努力を続ける。だか…

にんじんと読む「統計学が最強の学問である」②

誤差と因果関係が統計学のキモである 何を調べるかは人間が決める。だからたいてい、人は集めてもどうにもならないようなしょうもないデータを集める。たとえば、「〇〇というブランドについてどう思いますか?」だ。たいへん好ましい、好ましい、ふつう、好…

にんじんと読む「天才⁉科学者シリーズ ヒポクラテス」

誰かの伝記を読もうと思って選んだのは、ヒポクラテス。 彼は地中海の島々のひとつ、コス島のケファロスという町で生まれた。紀元前460年のことである。代々医師の家庭だった。親父からは「俺たちはアスクレピオスとかヘラクレスの子孫なんだぞ」と言われて…

にんじんと読む「伝記を読もう 南方熊楠」

南方熊楠は1867年、現在の和歌山県の商家・六人兄弟の三番目に生まれた。 本を求めても買ってはもらえず、友達に借りては写本を作り内容をすべて覚えてしまった。八歳の頃、全百五巻もある百科事典をすべて写し取り、博物学五十二巻、新聞なども写していた。…

にんじんと読む「地球博物学大図鑑」

にんじんたちは「地球」という一個の単位に対するものとして「宇宙」という言い方をすることが多い。しかし実際には、地球はいくつもの層に分かれており、それぞれに影響を及ぼしている。太陽からこれこれの影響を受けるという話をするときは、自分たちの真…

(読書メモ)おしゃべりな脳

おしゃべりな脳の研究――内言・聴声・対話的思考 作者:チャールズ・ファニーハフ みすず書房 Amazon 翻訳本にありがちな、各章冒頭はかならずよく知らんやつのエピソードを挟む形式のために、なんだか読む気が起きないのだが、「内言」という、いわゆる頭のな…

にんじんと読む「怒りの心理学」

過去記事のまとめ 第一章 怒りの理論 第二章 怒りの認知 第三章 怒りの表出 第四章 怒りの鎮静化 第五章 怒りの健康への影響 第六章 怒りのコントロール 第一章 怒りの理論 基本感情: 驚き・喜び・恐れ・嫌悪・悲しみ・怒り これを4つの側面から眺め、その…

にんじんと読む「社交する人間」 序章

序章 社交への飢餓 現代では社交は無用ではないまでも、生活の周辺的な営みと見なされている。社交はたかだか社会生活の潤滑油にすぎず、より役に立つ人間関係をつくるための手段だと考えられている。それと背中あわせに、人びとは社交という行為の内容をも…

にんじんと読む「なぜあの人のジョークは面白いのか?」

「ユーモア」と「笑い」は刺激・反応であり、区別される。ユーモアはくすぐることなのだ。ユーモアの主要な要素は不調和であり、フリとオチが別々のほうを向いていてしかもうまく解消されている。ばかげていることは笑いの種になるが、ばかげていればいいわ…

にんじんと読む「悪党・ヤクザ・ナショナリスト 近代日本の暴力政治」 第一章①

第一章 愛国者と博徒 明治の世となって西洋を模範として法整備が進められる中で、戸惑った農民たちが起こした一揆や反乱のなかで有名な秩父の困民軍の指揮官と副指揮官である田代栄助と加藤織平は「博徒」だった。1884年のことであるが、実はそれ以前には彼…

にんじんと読む「悪党・ヤクザ・ナショナリスト 近代日本の暴力政治」 イントロダクション

イントロダクション 「暴力」は近代日本政治における原動力であり、そもそも近代日本の誕生からして暴力的だった。明治新政府の樹立は暴力が猛威を振るった結果である。また、誕生後も暴力がなくなったわけではない。むしろ荒々しい時代が始まった。抗議の声…

にんじんと読む「性の進化論」🥕

男と女が出会ってからの「自然」な流れは大体次のように説明される。 男と女が出会うと、二人はお互いの値踏みをはじめる。男は女が健康であるとか、若いとか、経験人数とか、貞節とかを気にする。女は男に力を求め、その力を自分と自分の子のために行使する…

にんじんと読む「菜根譚」前集1

一 棲守道徳者、寂寞一時。依阿権勢者、凄凉万古。達人観物外之物、思身後之身。寧受一時之寂寞、毋取万古之凄凉。 道徳に棲守する者は、一時に寂寞たり。権勢に依阿する者は、万古に凄凉たり。達人は物外の物を観、身後の身を思う。むしろ一時の寂寞を受く…

にんじんと読む「日本の自然崇拝、西洋のアニミズム(保坂幸博)」🥕

「宗教とはなにか」が問われていない 日本においてはオウム真理教の一連の事件において、宗教というものに一挙に注目が集まった。事件の背景にあった宗教とそれに対する熱狂的な信仰がもたらした残虐な行いはマスコミにも多く取り上げられることとなったが、…

にんじんと読む「貧しい人を助ける理由」🥕 途中まで

四つの基礎的人間的ニーズは、飲み水・食料・住居・基本的な保健医療サービスである。およそ30億人がいずれかひとつが欠けた状態にあり、毎日5秒に1人の割合で死ななくていい子どもが死んでいく。祖父母世代ではこうした状況を「十分な資源がないからだ」と…

にんじんと読む「個性と出会い」🥕 途中まで

自己疎外 ひとは集団のなかで自分の個性を殺して生きることがある。そしてこの生き方は、どうやら高い比率でみられるようになっているようだ。彼らは誰かから「正しい答え」を教えてもらいたがっている。それを越えて、たとえば討議に参加しようなどとは思わ…

にんじんと読む「民衆暴力」🥕 新政反対一揆

新政反対一揆 これは、廃藩置県・徴兵令・学制・賤民廃止令・地租改正といった明治政府の一連の政策に反対して起きた一揆を総称して「新政反対一揆」という。有名なのが明治6年、現香川県で起きたものである。6月26日の夕方、ある女が二人の子を連れて歩いて…

臨終の自然なプロセス

jtca2020.or.jp 臨終前に最も特徴的なのが「下顎呼吸」である。スー・ハーのリズムが不規則になるのだ。息を吸う時に下の顎が上に上がり、息を吐くときにゆっくりと顎が下に下がる、というように説明されるが、要は口をパクパクするわけで、これは呼吸と言い…

にんじんと読む「恐怖の地政学」🥕 中国

もしウクライナに山地があれば、過去戦争を仕掛けて来た国々は容易に攻め込むことができなかっただろう。『地政学とは、おおまかに言うと、国際情勢を理解するために地理的要因に注目する学問である。地理的要因には、自然の要塞となり得る山脈や川筋のつな…

にんじんと読む「性格とは何か」🥕

だれかの性格をおおざっぱに「やさしい」とか表現するのを類型論という。しかしこれはあまりにも粗すぎるので「〇〇」は何点、「✖✖」は何点、……といったように細かく得点を分けて書くのを特性論という。特性論のほうが正確といえば正確だが、一点違うだけで…

にんじんと読む「なぜ、私たちは恋をして生きるのか」🥕 ②

「いき」の構造 「いき」の構造 他二篇 (岩波文庫) の著者にとって、「いき」とは単に芸者のスタイルや江戸の美意識ではなく、生き方に関わるものだった。『「いき」とは、「わが民族に独自な「生き」かた」なのであって、そこには男女関係、さらに言えば、…

にんじんと読む「「がん」では死なない「がん患者」」🥕

栄養の観点からすれば、「がん」は代謝異常の病気といえる。代謝とは、『生命と維持するために必要なエネルギーを作ったり、筋肉などの組織を作ったりするために、私たちの体内で起こる生化学反応全般』のことである。がんはこの生化学反応を異常にしてしま…