にんじんブログ

にんじんの生活・勉強の記録です。

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2021-01-01から1年間の記事一覧

にんじんと読む「笑いの哲学(木村覚)」🥕 ①

① トマス・ホッブスは『リヴァイアサン』において、「とつぜんの得意は、笑いと呼ばれる顔のゆがみをおこさせる情念」だといい、「他人の欠陥についておおいに笑うことは、小心のしるし」であると言った。階段で転んだ人を見てあなたが笑うのは、「馬鹿だな…

にんじんと読む「心の進化を解明する(ダニエル・C・デネット)」🥕 第一章

第一章 序論 心はいかにして存在するに至ったのか? そして、心がこんな問いを発し、それに答えるということはいかにして可能であるのか? 手短な答えを言えば、進化の産物としての心が数々の思考道具を創り出し、やがて心は、それら思考道具を用いて、心が…

にんじんと読む「サクッとわかるビジネス教養 地政学」🥕

地政学・基礎概念 地球全体をマクロな視点でとらえ、世界各国の動向を分析する。特に、「アジア」「中東」「ヨーロッパ」の三大エリアをめぐる国のふるまいを研究する。現在は「中国vsアメリカ」「イランvsアメリカ」「NATO・EUvsロシア」が主な衝突になって…

にんじんと読む「私はどうして私なのか(大庭健)」🥕 ②

② 自分もまた世界の中のひとつの事物である、と理解するためには何が必要なのか。鏡像は視覚に限定されていたので、ここからはその限定をやめてみよう。もっとも肝心なことは「他人にも世界が現れている」ということと「他人にどう世界が現れているか」とい…

にんじんと読む「英語独習法(今井むつみ)」🥕 ③

carrot-lanthanum0812.hatenablog.com ③ リーディングと文法は重視されるが、しかし、それは受容の段階に留まる。レシピ本を読み込んでも料理がうまくなるわけではないように、書いたり、話したり、聴いたりしなければ良くない。文部科学省も、「読む」「聴…

にんじんと読む「私はどうして私なのか(大庭健)」🥕 ①

① 「存在」と「意識」は違う。背後霊を意識しているからといって、背後霊が本当にいるとは限らない。しかし、「私」に関する限り、このことは一致する。つまり、私が存在するというのは私が意識されていることであり、私が意識されているというのは私が存在…

考えたことなど

頭の整理がしたかったため。 考えたことなど(標語) 自己は概念の運動である。自己は意識された自我であり、諸側面の束に過ぎない。 自我はある傾向をもった一つの働きである。自我は動物的な快/不快の区別に始まり、成長を含む環境の変化に応じて分化する…

【にんじんまとめ】緊急小口資金および総合支援資金について(2021.8.31現在)

緊急小口資金および総合支援資金についての情報 新型コロナに影響を受けた非正規雇用労働者等に対する緊急対策関係閣僚会議 緊急小口資金および総合支援資金についての情報 返済免除による利益(債務免除益)は非課税の方針 (日刊スポーツ) ⇩ 基本的なこと…

にんじんと読む「ニーチェ入門(竹田青嗣)」🥕 第一章

第一章 はじめのニーチェ まず論壇上の処女作と呼べる『悲劇の誕生』から。(悲劇の誕生 (岩波文庫)) その中身は①悲劇論、②音楽芸術論、③主知主義批判の三つから成る。彼は悲劇の概念を考え直すため、ギリシャ文化をたどる。その変遷をみるために、ニーチェ…

「死」についてTHINKする

にんじんはこのところ、「死」についてよく考えます。 にんじんと考える「死」 以前、『キリギリスの哲学―ゲームプレイと理想の人生』という本を読んだとき、人生というゲームについて考察したことがあります。にんじんは、人生は死を目的とするゲームだと主…

(メモ)生態と環境・進化

生態学ecologyとは、生物と環境・生物と生物の相互作用を研究する学問である。地球上でもっとも大きな生物学的系は「生物圏biosphere」であり、生命の存在範囲である。生物圏は山頂から深海まで広がるが、地球全体でいえば””皮””程度の厚みしかない。生物圏…

(メモ)日本における養生思想

日本における養生思想 日本の養生思想はまず平安時代・丹波康頼(たんばのやすより)『医心方』(984年)が挙げられる。医学書としては『大同類聚方』(808年)や『金蘭方』(846年)があるが、当時の医学をうかがう観点からも医心方は第一のテキストと目さ…

にんじんと読む「恋愛なんかやめておけ(松田道雄)」🥕

恋愛ってなんだ 著者はまず「恋愛」と、それと繋がりがある「性」に対する人々の反応のちがいを指摘する。恋愛はきれいなものだが、性はきたないものだ。つまり誰も話したがらない。 いったい「性」ってなんだろう。 恋愛なんかやめておけ (朝日文庫) この答…

にんじんと読む「知っておきたい日本の名字」🥕

今回の本はこれ。 日本の名字 作者:森岡浩 発売日: 2015/03/04 メディア: 単行本(ソフトカバー) 邪馬台国の頃、つまり中国の歴史書に記されている日本人外交官の名前は『難升米(なしめ)』『都市牛理(としごり)』であり、姓はなかったようです。しかし…

にんじんと読む「なぜ今、仏教なのか Why Buddhism Is True(ロバート・ライト)」🥕 仏教の真実一覧

仏教の真実一覧 「真実」としてここにあげたものすべてが仏教の教義とはかぎらない。むしろ仏教思想から得られる教訓や示唆に近いものがある。しかしいずれも、神経科学や心理学をはじめとする現代科学、なかでも人類の心が自然選択によってどのように形づく…

にんじんと読む「哲学がはじまるとき(斎藤慶典)」🥕

第一部 思考 第二部 世界(途中まで) 第一部 思考 思考とは反復であり、反復の中核をなすのは偏差(ずれ)である。 哲学がはじまるとき―思考は何/どこに向かうのか (ちくま新書) 反復とはだんだん付け加わっていくということで、偏差というのはいわば「世界…

にんじんと読む「生命と自由(斎藤慶典)」🥕 第三章

第三章 間主観性と他者 超越論的領野とは、すべてがそこにおいて姿を現わす場所である。なにかが存在するためには現出が必要であるがその場こそが超越論的領野であり、ここが最終的な地点である。これは個人の心というレベルの話ではない。 しかしフッサール…

にんじんと読む「生命と自由(斎藤慶典)」🥕 第一章③

基づけ関係による階層性 基づけ関係は「こころ」と「もの」に対してだけではなく、広く成立する。たとえば「植物」と「物質」もそうである。たとえば二酸化炭素から酸素を作り出す物質変換過程は、物理的秩序だけからは説明できない。しかし一方で、植物的秩…

にんじんと読む「生命と自由(斎藤慶典)」🥕 第一章②

デイヴィッドソンの非法則的一元論 デイヴィッドソンは、こころとものの関係について「自由」を得る方法はないかと考えていた。これまで行われてきた多くの議論は以下の三つの原理からくみ上げられたものであると指摘する。 (因果的相互作用の原理)少なく…

にんじんと読む「生命と自由(斎藤慶典)」🥕 第一章①

今回はこの本です。 生命と自由: 現象学、生命科学、そして形而上学 生命と自由: 現象学、生命科学、そして形而上学 作者:斎藤 慶典 発売日: 2014/06/24 メディア: 単行本 何ものかに対して何ものかが何ものかとして現れること、即ち現象。 これを「現実」を…

にんじんと読む「ストレス「善玉」論(中沢正夫)」🥕

今回読んだのはこの本です。 ストレス「善玉」論 (岩波現代文庫) ストレス「善玉」論 (岩波現代文庫) 作者:中沢 正夫 発売日: 2008/02/15 メディア: 文庫 社会というものは本当にわずらわしい。 もし誰もいない山のなかで転んでも「イテテ」で済むのに、町で…

にんじんと読む「生まれてきたことが苦しいあなたに(大谷崇)」🥕 ③

「生まれたこと」から考える 生まれてきてしまった。こういうとネガティブな感じがして性に合わなければ、ともかく生まれた。生まれている。このことは間違いない。そして私たちは自殺しようと思わない。いくら厭世的であろうが、生きたいと思っている。 大…

にんじんと読む「生まれてきたことが苦しいあなたに(大谷崇)」🥕 ②

carrot-lanthanum0812.hatenablog.com 自殺 厭世主義者はもっとも受ける批判が「自殺しないの?」だろう。 しかし当たり前だが、「生まれなきゃよかった」からといって「自殺しなければならない」は帰結しない。とはいえ、彼らが漠然と自殺に惹かれているの…

にんじんと読む「生まれてきたことが苦しいあなたに(大谷崇)」🥕 ①

今回読んだ本はこちら。 生まれてきたことが苦しいあなたに 最強のペシミスト・シオランの思想 (星海社新書) 生まれてきたことが苦しいあなたに 最強のペシミスト・シオランの思想 (星海社新書) 作者:大谷 崇 発売日: 2019/12/27 メディア: 新書 残念! 生ま…

(メモ)日本の古代史

列島の古代 【縄文時代】 第四紀更新世・氷河期:海面低下により日本列島が大陸と地続きに。北や南からマンモスやナウマン象、ホモ・サピエンスが移動してくる。 完新世(約一万年前):海面が上昇し、現在の姿に。 氷河時代が終わり完新世に入ると、環境変…

にんじんと読む「リズムの哲学ノート(山崎正和)」🥕 第四章前半まで

第四章 リズムと認識 これまでの考察でわかったことは、ゲシュタルトの現われる場所は人間の身体だということだろう。「ルビンの壺」が現れるのも、自然の光景が一まとまりの絵柄として現れるのも、その場所は外界の現実でもなく、まして内面の意識でもなく…

にんじんと読む「リズムの哲学ノート(山崎正和)」🥕 第二章+第三章

carrot-lanthanum0812.hatenablog.com 第二章 リズムと持続 従来の哲学によれば、感覚は人間が外界に触れる第一歩であって、経験論者はその信憑性を論証することによって、観念論者はそれを錯覚として否定することによって、思索を始めてきた。だがベルクソ…

にんじんと読む「リズムの哲学ノート(山崎正和)」🥕 第一章

第一章 リズムはどこにあるか リズムという現象について。 たとえば振り子。鹿威し。体内時計や心拍・呼吸。水面に落とした石を中心に広がっていく波。月の満ち欠け。天体の公転運動。 リズムはどの文明においても広くみられる。リズムは言葉を知らない幼児…

にんじんと読む「現象学ことはじめ(山口一郎)」🥕 序章

序章 自然科学という学問は、生活世界という基盤を忘れはじめから自存自立しているような幻想を抱きそれに呪縛されている―――自然科学の成り立ち「生活世界論」 人が意識する手前、つまり、気づく前に生命体としての人が他の人やまわりの状況の間にかかわりが…

にんじんと読む「寿命の9割は腸で決まる(松生恒夫)」🥕 第一章のみ

第一章 体の不調の原因の9割は腸(小腸・大腸)にあり! 腸の大事な機能は「消化」「吸収」「排泄」「免疫」 小腸では、胆汁や膵液などの消化酵素を使ってたんぱく質→アミノ酸、糖質→ブドウ糖、脂質→脂肪酸へ。90%を吸収。水分をたっぷり含んだ残りカス(食…