にんじんブログ

にんじんの生活・勉強の記録です。

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2021-01-01から1年間の記事一覧

にんじんと読む「現象学ことはじめ」🥕 第一章 第二章

第一章 数えること いったい「なぜ」「何が」「どうなって」いるのか。事象の根拠、本質、構造。それは現実問題「何が必要か」「何が役に立つのか」にアプローチすることでもある。 何かを見ているということと、見えている何かは区別されなければならない。…

にんじんと考える「株投資(整理するために)」

株投資をやる目的は金である。社会貢献などでは断じてない。 投資をすることによってその会社に貢献できるかどうかなどどうでもよい。金さえ手に入れば、倒産しようが構わない。とはいえ、倒産されては儲からないのでやっぱり会社の繁栄は望むことになるが、…

釈迦の目指した「悟り」とはなんだったのか?【過去記事「仏教思想のゼロポイント」】

「悟り」とはなんなのか 仏教の最終目的は「悟り」「解脱」「涅槃」である。だが、これがわからない。 釈迦の教える生活の基本条項は『労働の否定』『生殖の否定』であり、ブッダ本人もそれが「世の流れに逆らうこと」(『聖求経』偈)であり欲望に流され楽…

コミュ下手のための人間関係基礎論 ver.2.0

carrot-lanthanum0812.hatenablog.com 前回の記事では、 「人間関係がいかに人を疲れさせるか」 「過度の期待をやめ、あきらめることで疲れを予防する」 そして「共生という関係」 について書いた。特に大事なのが予防策を打ったうえでの、具体的な対人関係…

にんじんと読む「わたしは不思議の輪(ダグラス・ホフスタッター)」🥕 ~第六章

第五章 ビデオフィードバック 略 第六章 自己とシンボル 生物は生き延びるために、《身近に進行していることを、どんなに初歩的な形であっても、何らかの方法で察知し分類する能力を発達させる必要がある》(p.104)。その能力が自分自身に向けられるようにな…

一生をどう過ごすか? M.チクセントミハイのフロー体験【過去記事「楽しむということ」】

私たちはなぜ生まれてきたのだろうか。 幸福(Eudaimonia;よき人生;開花)を考えるうえでの出発点は、私たちが動物の一種であるということだ。私たちはほかの動物となんら変わりのない普通の生物であり、その一方で、ホモ・サピエンスという非常に「特異な…

にんじんと読む「現代の死に方(シェイマス・オウマハニー)」🥕 第一章

第一章 私は何を知っているか 「従順な死」。哲学者フィリッパ・アリエスは産業革命以前の数千年のヨーロッパでの死をそう呼んだ。そこでももちろん死は恐れられていたが、《死は身近にあり、急に来て、周知、公然のもの》(p.11)であり、《死を迎える人も、…

にんじんと読む「現代の死に方(シェイマス・オウマハニー)」🥕 序文

序文 大方の人間にとっては死は噂であり、所詮、他人事である。 現代の死に方: 医療の最前線から 人は死ぬ。確実に。なのに何故か、あるいは、だからこそ、自殺を選択するような人がいる。とはいえ、ほとんどの人は死についてあまり意識にのぼらないらしい。…

にんじんと読む「道徳の自然誌(マイケル・トマセロ)」🥕

同情と公平。これは協力における二つの形「利他的な援助」と「相利共生型の協同」の二つの違いを説明するものとされる。道徳性と呼ばれる協力形態においても無論である。そして同情とは道徳性において基礎的なものであり、血縁選択に基づく子への親の世話が…

にんじんと読む「徳倫理学について(ハーストハウス)」🥕 徳であるための客観的基準

徳であるための客観的基準 ある特定の性格特性が徳であるといえるための客観的基準は存在するのだろうか。徳倫理学を説明するためには「徳とは……」という、……の部分を補完しなければならない。それは義務論が、何を正しいルールとするかを決めなければならな…

にんじんと読む「徳倫理学について(ハーストハウス)」🥕 義務論、功利主義、徳倫理学

徳倫理学の位置づけ 行為功利主義者が「正しい行為」について記述するならば、《行為は、それが最善の結果をもたらす時、またその場合に限って、正しい》(p.39)となるだろう。功利主義者は正しい行為と最善の結果という二概念を結び付ける。そして次に《最善…

コミュ下手のための人間関係基礎論【過去記事「世間話は「そりゃそうだろ」が基本」】

人と会話した後に「あぁ、やってしまった」という後悔が必ずあります。目の前に人がいる場合も、電話も、メールもそうです。安心なのがTwitterとブログなのですが、これはそもそもレスポンスを期待する度合いが他よりも小さいからかもしれません。ふぁぼの数…

ペンギンを見分ける方法【過去記事「はじめようペンギン学」】

ペンギンは、真核生物の動物界脊索動物門鳥綱ペンギン目ペンギン科の動物であり、6属18種の区別がある。鳥綱というのは、口がクチバシになっている卵から産まれる脊椎動物のことで、飛べるか飛べないかは関係がない。 エンペラーペンギン属(2種) アデリー…

「徳」は技能と同じく、発達する【「徳は知なり」】

エウダイモニア主義というのは、幸福Eudaimoniaあるいは開花Flourishingと徳を積極的に結びつけようとする考え方である。『依存的な理性的動物: ヒトにはなぜ徳が必要か (叢書・ウニベルシタス)』においては、開花というものを、それが埋め込まれる社会関係…

2021年宅地建物取引士資格試験(10月試験)を今からやる

ストーリー アイテム 敵を知る ストーリー あと2か月半で試験が来る 宅建を受けてしまおうという にんじんの挑戦がはじまる(試験があるのを忘れていた)。 合格率 17.6%(R2年度) アイテム 戦略: ひたすらこれをやるだけ。ラストスパートは予想模試…

にんじんと読む「オートポイエーシス論入門(山下和也)」🥕 第二章② ここまで

オートポイエーシス・システムは、そのオートポイエーシスが維持できている範囲でネットワークに属する産出プロセスを変化させることができる。それに応じて構成素や構造も変化する。たとえばオタマジャクシがカエルになるようなもので、たとえ変化したとし…

にんじんと読む「オートポイエーシス論入門(山下和也)」🥕 第二章①

第二章 概念整理 「環境」 ・・・ オートポイエーシス・システムは自分でないあらゆるものを自分自身から切り離せるが、この時、システムから切りはなされたシステムでない一切のもの。*1 「相互浸透」 ・・・ システムの構造はその環境を巻き込んで成立して…

にんじんと読む「オートポイエーシス論入門(山下和也)」🥕 第一章

産出されたものがあれば、必ずそれを産出した働きがある オートポイエーシス論入門 第一章 定義 オートポイエーシス・システムとは、産出物による作動基礎づけ関係によって連鎖する産出プロセスのネットワーク状の自己完結的な閉域である。閉域形成に参与す…

にんじんと読む「ケアの倫理(ファビエンヌ・ブルジューヌ)」🥕 第一章のみ

以前、別の記事でまとめたように、『依存的な理性的動物: ヒトにはなぜ徳が必要か (叢書・ウニベルシタス)』において主張されていたことは、ヒト以外も含めて動物一般はその生涯において他者からのケアを必要とする存在だということであった。しかしこれまで…

KleinのErlangenプログラム

KleinのErlangenプログラム いろいろの幾何を統一し、あるいは分類する原理として提案されたのが1872年、KleinによるErlangenプログラムである。まずある空間Ω(基礎集合)を考え、Ω上の図形を考え、その図形の性質を考える。ΩからΩへの全単射写像fで、図形F…

にんじん養生訓

にんじん養生訓 戸外から帰ったら手洗いとうがいを励行せよ。そもそも、ほとんどの体調不良はいわゆる「風邪」を引き起こすウイルスに由来する。人ごみではマスクを着用するのが望ましい。これは、COVID-19の流行の有無に関わらない。 一日何食食べるかは、…

幸福の発達過程と社会関係【「依存的な理性的動物」】

開花Flourishing 幸福への発達 社会との関係 全体の素描 過去記事 開花Flourishing 私たちがいかに「傷つきやすいvulnerable」存在であるかということ、すなわち、私たちの生が苦しみに満たされているということ。私たちは日ごろ、その憂鬱の中に身を置くよ…

「すべて」を始めた大爆発【「宇宙が始まる前には何があったのか?」】

「すべて」を始めた大爆発 アインシュタインが1916年に発表した一般相対性理論によって、それまでの静かで永遠の宇宙観は一大転換を迫られた。言い出したのはベルギーの司祭・天文学者のルメートルであり、””渦巻銀河の後退””という観測結果に基づいて、「宇…

にんじんと読む「心の進化を解明する(ダニエル・C・デネット)」🥕 第一部

第一部 私たちの世界をさかさまにする 心はいかにして存在するに至ったのか? そして、心がこんな問いを発し、それに答えるということはいかにして可能であるのか? 手短な答えを言えば、進化の産物としての心が数々の思考道具を創り出し、やがて心は、それ…

(もう一度!)にんじんと読む「現代認識論」 第一章+第二章

第一章 知識の標準分析 知っているとはどういうことか。標準的には、知識とは、正当化された真なる信念である(K=JTB, Knowledge= Justified True Belief)。自分がリストラされないのに、「自分がリストラされることを知っている」と主張するのはどうかして…

にんじんと読む「心の進化を解明する(ダニエル・C・デネット)」🥕 第四章

第四章 二つの奇妙な推理の逆転 ダーウィンがもたらしたものは神≒人間→その他というような創造理論(トリクル・ダウン理論)から、バクテリアなどの単純な生物から動物へと至る創造理論(バブル・アップ理論)への逆転であった。これを否定したい者たちは、…

にんじんと読む「心の進化を解明する(ダニエル・C・デネット)」🥕 第二章+第三章

第二章 バクテリアとバッハの間に 最初期の生命形態でさえ、それは既に複雑で秀逸きわまる自己維持システムであった―――と書くと、ちょっと妙な気がするかもしれない。 問われているのは非生命から生命への道筋、つまり、 可能な出来事がいかに配列されれば、…

にんじんと読む「笑いの哲学(木村覚)」🥕 ④

④ 機知を用いる笑いをチャップリンは狭義のユーモアと称した。では広義とはなにか。それは、「人間の生存意識」「健全な精神」に関わり、「均衡感覚」さえ私たちに与えるものだ。テレビに出てくる多くのお笑い芸人は日々、自らの機知を遺憾なく発揮している…

にんじんと読む「笑いの哲学(木村覚)」🥕 ③

carrot-lanthanum0812.hatenablog.com ③ さて、ベルクソンのいった笑いは「枠」を用いた笑いであった。だがよく注意しなければならないのは、 その烙印がおもしろい その烙印をはめられることがおもしろい のふたつがあるということだ。いわゆるあるあるネタ…

にんじんと読む「笑いの哲学(木村覚)」🥕 ②

carrot-lanthanum0812.hatenablog.com ② だが、考えてみれば笑われるのがいつも嫌なわけではない。芸人でなくとも、笑ってほしいときがある。たとえば朝ぼうっとしているときに冷蔵庫にリモコンを入れてしまったら「この前ぼけっとしててさぁ」などと言いた…